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「ジョン・ケージの似顔絵」 本田まさゆき a.k.a. 本田静丸（しずまる） 2005年
2022年5月29日(日)に開催する WINDS CAFE 305【ケージと群集 -音の匿名性を求めて-】は、東京都の一日の新規感染者数がまだまだ多いことを鑑み、密を避けるために、通常の WINDS CAFE 開催時における「出入り自由」「イベント後のパーティー」を中止し、「完全予約制」にして、開催時の室内の人数を限らせていただきます。
【ご予約のお申し込み方法】
1. メールでのみ受け付けます。
tatsutoshi.kawamura★nifty.ne.jp 宛に（★を@に替えてください）
タイトルを「WINDS CAFE 305 申し込み」とし、
本文に「お名前・郵便番号・住所・電話番号」を書いて、
5月9日(月)午後7時以降に送信してください。
※その時刻より早く届いたメールは無効となります。
2. お申し込みは「1メールアドレスにつき、1名のみ」とさせていただきます。
※いただいた個人情報は名簿化した上で厳重に保管しますが、万が一の場合は保健所に提出しますのであしからずご了承ください。
3. 先着20名様までで締め切らせていただきます。
【ご来場時の注意事項】
1. 先着20名のお客様には、メールで、整理番号を明示した入場券を返送いたします（21番目以降のお申し込みメールにも返信します）。
2. 当日は受付で入場券を印刷した紙もしくは携帯端末画面でご提示ください。
名簿と照合させていただきます。
※入場券のご提示がいただけない場合は入場をお断りすることもございます。
3. 当日はマスク着用を必須とさせていただきますのでご用意をお願いいたします。
……以上、しかつめらしいことがらを長々と書かせていただきましたが、コロナ禍の東京ではライブ会場をきちんと用意するための儀式って大変なんだなあ、要は飛行機に乗るようなもんだって思えばいいんだよね、と割り切っていただければ幸いです。
● ＷＩＮＤＳ ＣＡＦＥ ３０５ ｉｎ 原宿 ●
【ケージと群集 -音の匿名性を求めて-】
亀井庸州（ヴァイオリン、尺八、他）、北嶋愛季（チェロ、他）、
木下正道（ピアノ、他）、迫田圭（ヴァイオリン、ヴィオラ、他）
２０２２年５月２９日(日) 午後１時半開場
カーサ・モーツァルト 東京都渋谷区神宮前1-10-23 3階
地下鉄「明治神宮前」出口5徒歩2分／JR「原宿」徒歩5分
http://casamoz.org/index.html
入場無料（投げ銭方式） 完全事前予約制・定員20名
13:30 開場
14:00 開演
16:00 終了予定
▼プログラム
John Cage：Four6 (1992)
北嶋愛季：…への準備 (2022・初演）
木下正道：Call and Responce I (2022・初演）
亀井庸州：Etude for the "listen" (2022・初演）
迫田圭：新曲（曲名未定） (2022・初演）
John Cage：Four3 (1991)
▼川村からひとこと
亀井庸州君は2018年 WINDS CAFE 254【鈴木治行・室内楽レトロスペクティプ1991-2016】で演奏者の一人として、また2020年 WINDS CAFE 277【「同時代音楽を奏する」 “バロック＝尺八古典本曲” 独演会】では企画出演者として、WINDS CAFE に出演してくれています。
彼の楽曲に対する真摯な態度と、ヴァイオリンと尺八の二刀流という演奏者としての独自性に大変魅かれている私は、3回目の出演となる今回の WINDS CAFE に、ケージをぶつけてみました。その結果、亀井君が準備してくれたのは、なんと今年9月の迫田圭君の企画と対にするという4重奏ばかりのプログラム。
迫田君は2016年 WINDS CAFE 239【家庭厳峻不容陸老従真門入・若い演奏家による木下正道作品展】、2018年 WINDSCAFE 253【津田宗明作曲個展「音楽のある風景」－声、ヴァイオリン、ピアノ－】、同年 WINDS CAFE 259【PLAYUSTVOLSKAYA】、2020年 WINDS CAFE 281 on CD【ピアノリサイタルと室内楽リサイタルwithヴァイオリン ～古典から近代まで～】、同年 WINDS CAFE 285【ロック・アバンギャルド・コンテンポラリー】と、すでに5回 WINDS CAFE に出演してくれています。
木下正道君は、彼の曲が WINDS CAFE では初演も含めて多数演奏されています。本年3月の WINDS CAFE 303【コンテンポラリー・デュオ 村田厚生＆中村和枝 「時間のケージ」】ではついに電子音響で演奏者としても登壇しましたが、今回はどうやらピアノを弾くという噂。
北嶋愛季さんは WINDS CAFE 初登場ですが、並々ならぬキャリアと腕を誇るチェリストとのこと。
この4名が繰り広げる演奏は、真っ当な意味での器楽演奏とは思い切り距離を置いたケージ晩年の4重奏を2曲と、各人がこの演奏会のために1曲ずつ作曲した新曲4曲の計6曲。彼らが本来の専門である楽器を使用せず、あるいは真っ当に（？）弾かず、普段使うことのない楽器や音具を使用するであろう音楽会、さて、どのような音が聞けるのか？ 乞うご期待！
参考
Four3 https://johncage.org/pp/John-Cage-Work-Detail.cfm?work_ID=86
Four6 https://johncage.org/pp/John-Cage-Work-Detail.cfm?work_ID=89
▼亀井庸州君からの手紙
今回の企画において川村さんに声をかけていただいた際「ケージにちなんだ"何か"」という条件のみでお話をいただきました。
その"何か"が私の中では謎に引っかかり、また意味深なものに感じられたのでした。
ですので、なるべくならば、ケージの作品を図鑑的に集めるだけで終わりたくない……という思いが渦巻き、あれこれと思案するうちに時間が過ぎました。
その中で一番関心が向いたことは、奏者の解体、奏者と聴衆のポジションの微妙な解体……。ここの中にケージが溶け込むことで私には今現在ケージを演奏することの実感が一番湧くのではないかという勝手な妄想をし、このような演目、奏者を設定させていただく運びとなりました。
なぜ4人なのか、なぜこのメンバーなのか、というところは、実は今年の9月11日に参加予定の WINDS CAFE 309【ジョン・ケージ弦楽四重奏作品全曲演奏会】に起因します。
その日には（今回の木下氏を除く）4名がプロフェッショナルな楽器奏者として訓練した音を出すこととなりますが、今回はほぼ同じ4名でありながら、そこから解体された音が出る可能性が高い。
ということから、ある意味で9月の公演の対になる企画として考えた意図があります。
個人的には、この解体されたいろいろな隙間から生まれ出る音、そして当日集まる群衆たちの隙間から生まれ出る音に、耳を澄ませることを何よりも楽しみにしております。
▼プロフィール
●亀井庸州（かめい・ようしゅう）：ヴァイオリン・尺八奏者。2000年ごろから主に同世代の作品初演を中心に活動を開始。2005年よりベルギー王立リエージュ音楽院において、欧州の20世紀音楽や即興演奏を学んだ。2007年より帰国後も引き続き同世代の作品初演活動に携わる。
個人企画のほか、東京オペラシティ音楽財団、サントリー芸術財団、みなとみらいホール等の主催公演に出演し、内外の作曲家による室内楽、ソロ作品の初演、再演を中心として活動している。これまでに初演した作品は100曲あまり。
また同時に尺八の古典をはじめとした演奏を行なっており、2017年にはcoba氏の新曲を、舘野泉氏とともに初演している。弦楽四重奏として出演した公演において第14回、第18回佐治敬三賞を受賞。
https://twitter.com/kameiyoshu
●北嶋愛季（きたじま・あき）：チェロ奏者。桐朋学園大学、ドイツ国立トロッシンゲン音楽大学卒業。2013/14年度インターナショナル・アンサンブル・モデルン・アカデミー生。メンデルスゾーン・ドイツ国立音楽大学コンクール現代音楽アンサンブル部門3位受賞。フランクフルト音楽・舞台芸術大学古楽器科修士号取得。
近年はバロックとモダン2台のチェロによる独奏演奏会を展開。国内外の現代音楽祭に出演するなど精力的に活動。
https://twitter.com/vcaki_kitajima
●木下正道（きのした・まさみち）：作曲家、即興演奏家。1969年2月4日、福井県大野市生まれ。吹奏楽とハードロックの経験の後東京学芸大学で音楽を学ぶ。フリージャズや集団即興も試みた。武満徹作曲賞、文化庁舞台芸術創作奨励賞、現音作曲新人賞などに入選。
現在は、様々な団体や個人からの委嘱や共同企画による作曲、優れた演奏家の協力のもとでの先鋭的な演奏会の企画、通常とは異なる方法で使用する電気機器による即興演奏、の三つの柱で活動を展開する。
https://twitter.com/largetamotamo
●迫田圭（さこだ・けい）：ヴァイオリン・ヴィオラ奏者。東京音楽大学大学院に給費奨学金を得て入学、修了。東京音楽大学コンクール入選、第28回市川市新人演奏家コンクール弦楽器部門最優秀賞。
現在、おーけすとら・ぴとれ座にてコンサートマスターを務めている他、オーケストラトリプティーク、Malus Quintet、Green Room Players にヴァイオリン、ヴィオラ奏者として在籍している。
https://twitter.com/g4qvwfu3ojiwaaa
▼当日配付されたプログラム
http://tatsutoshi.my.coocan.jp/305program.pdf
▼当日配付された聴衆への指示書（後日解説追加）
亀井庸州：Etude for the "listen" http://tatsutoshi.my.coocan.jp/305kamei.pdf
▼後日入手したスコア
北嶋愛季：...への準備 http://tatsutoshi.my.coocan.jp/305kitajima.pdf
Cageの作品は、その偶然性が注目されるため即興的と思われるが、演奏してみると実は奏者はなかなか演奏に忙しく、自我が入る隙間がない。『私』というエゴを入れる隙間など、ないのである。Cage自身が禅の思想に影響を受けたのもうなずける。ただ、私などその域まで達せられないので、せめて、奏者自身と『参加』される聴衆の皆さんに、何かに取り組む前に少しでも心が整えばと思い、今回の作品が出来上がった。奏者の個人的な『思い出の品』とカード(実は色にも意味がある）の言葉に想いを馳せながらしばし瞑想的に演奏をつないでゆき、聴衆も同じく想いを馳せる。（北嶋愛季・当日談）
オリジナル作品のうち北嶋さんの作品は、空間に散った奏者がある観念的なテーマに引っ張られながら即興をするという作品で、「音と観念」という視点で改めて感じるもののある作品。（亀井庸州・前日のツイッターより）
▼当日配付されたスコア
木下正道：Call and Responce I http://tatsutoshi.my.coocan.jp/305kinoshita.pdf
オリジナル作品のうち木下さんの作品は、今回全員にお願いしていた「聴衆を絡める形での」という要素のど真ん中をいく作品。聴衆と奏者が真っ向からコミュニケーションを強いられる作品で、明日やってみないとどうなるか分からない。（亀井庸州・前日のツイッターより）
▼後日入手した解説
迫田圭：Piano Quartet No.1 http://tatsutoshi.my.coocan.jp/305sakoda.pdf
オリジナル作品のうち迫田さんの作品のみ、きっちり楽譜を書いていただいたピアノ四重奏曲で、即興性もありますがとても丁寧に作られていて面白く美しい。（亀井庸州・前日のツイッターより）
▼当日のセットリスト
演奏終了後の記念撮影（左から）木下正道・亀井庸州・北嶋愛季・迫田圭
01 亀井庸州：Etude for the "listen" (2022・初演)
木下正道（ピアノ）
亀井庸州（ヴァイオリン）
北嶋愛季（チェロ）
迫田圭（ヴィオラ）
聴衆（ホイッスル、クラッカー、ゴング、他鳴り物各種）
02 北嶋愛季：...への準備 (2022・初演)
北嶋愛季（カリンバ、マラカス）
迫田圭（ヴィオラ）
亀井庸州（ヴァイオリン）
木下正道（Kindle）
03 John Cage：Four6 (1992)
木下正道（kindle）
迫田圭（ヴィオラ、声、息、口笛、足踏み、スマートフォン）
亀井庸州（ヴァイオリン、ヴィオラ・ダモーレ、尺八、ゴング、ビー玉、空き缶、鉄琴、iPad「YouTube：小鳥の囀り音源」）
北嶋愛季（声、レインスティック、カリンバ、サンダードラム、木の実のレッグベル、ギロ、ティンシャ）
【後半】
04 木下正道：Call and Responce I (2022・初演)
木下正道（ピアノ）
亀井庸州（ヴァイオリン）
北嶋愛季（チェロ、マラカス）
迫田圭（ヴィオラ、鉄琴）
05 迫田圭：Piano Quartet No.1 (2022・初演)
木下正道（ピアノ）
亀井庸州（ヴァイオリン）
北嶋愛季（チェロ）
迫田圭（ヴィオラ）
06 John Cage：Four3 (1991)
木下正道（ピアノ、キーボード、レインスティック、kindle）
亀井庸州（ピアノ、キーボード、レインスティック、ヴィオラ・ダモーレ）
北嶋愛季（ピアノ、キーボード、レインスティック、iPad）
迫田圭（ピアノ、キーボード、レインスティック、ヴィオラ）