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▼WINDS CAFE 告知文の記録



 2023年9月10日(日)に開催する WINDS CAFE 321【打楽器百花繚乱X 作編曲家白藤淳一氏を迎えて】は、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが2類相当から5類に移行したとはいえ、イベント開催時にはまだまだ慎重に対応すべきと考え、通常の WINDS CAFE 開催時における「出入り自由」「イベント後のパーティー」を中止し、「完全予約制」とします。ただし、人数制限はいたしません。


【ご予約のお申し込み方法】

 メールでのみ受け付けます。
 tatsutoshi.kawamura★nifty.ne.jp 宛に(★を@に替えてください)
 タイトルを「WINDS CAFE 321 申し込み」とし、
 本文に「お名前・メールアドレス」を書いて送信してください。

 1つのメールで何人分かまとめてお申し込みいただいてもかまいませんが、お一人ごとに「お名前・メールアドレス」を書いてください。

 ただし、お子様(静かに聞いていられない恐れがある場合はご遠慮ください)やご年配の方等、個人メールアドレスをお持ちでない方とご一緒されたい場合は、その旨お知らせください。

 お申し込みの締め切りは当日(9月10日)午前9時とさせていただきます。


【ご来場時の注意事項】

 お申し込みいただいた方々には、メールで整理番号を返送いたします。

 当日は受付で整理番号もしくはお名前をお知らせください。

 当日はマスクのご用意をお願いいたします。


 ……以上、しかつめらしいことがらを長々と書かせていただきましたが、コロナ禍の東京ではライブ会場をきちんと用意するための儀式って大変なんだなあ、要は飛行機に乗るようなもんだって思えばいいんだよね、と割り切っていただければ幸いです。

(2023年8月23日 WINDS CAFE 主宰 川村龍俊)


● WINDS CAFE 321 in 原宿 ●

【打楽器百花繚乱X 作編曲家白藤淳一氏を迎えて】



會田瑞樹(ヴィブラフォン)・白藤淳一(作曲/編曲)

2023年9月10日(日) 13時半開場



カーサ・モーツァルト 東京都渋谷区神宮前1-10-23 外階段で3階へ
地下鉄「明治神宮前」出口5徒歩2分/JR「原宿」徒歩5分
https://casamoz.org/

入場無料(投げ銭方式) 完全事前予約制

13:30 開場
14:00 開演
15:30 終了予定


▼プログラム

全曲作曲・編曲:白藤淳一
《樫の森の中の修道院》(2023/初演)
《宮廷の食卓のための音楽》(2019)
《あやかしの余韻》(2017)
そのほか、白藤淳一氏が手がけたヴィブラフォンソロのための編曲作品を上演


▼川村からひとこと

 會田瑞樹君に初めて会ったのは、2011年に西耕一君が企画した WINDS CAFE 178【箏とヴィオラと・・・】で、山本和智君の作品「翦断/歪」を初演した、扇風機演奏家(!)としてでした。2012年も WINDS CAFE 189【それぞれの4分33秒】に出演、翌2013年、ついに WINDS CAFE 203【打楽器、百花繚乱】でソロリサイタル企画を打ち、2014年は WINDS CAFE 207【生誕百年! 伊福部昭を語り、奏でる】に登壇。

 2015年は WINDS CAFE 223【打楽器百花繚乱 II】でソロリサイタル。2016年は WINDS CAFE 237【打楽器百花繚乱 III -陰翳礼賛-】で全曲ヴィブラフォンのソロ、そして WINDS CAFE 239【家庭厳峻不容陸老従真門入・若い演奏家による木下正道作品展】でも全6曲中4曲の演奏に参加。

 2017年は WINDS CAFE 247【打楽器百花繚乱 IV 〜狂想変容〜】、2018年は WINDSCAFE 262【打楽器百花繚乱 V 〜旅するヴィブラフォンへの序曲〜】、2019年は WINDS CAFE 270【打楽器百花繚乱 VI 〜ここからはじまる未来〜】と、WINDS CAFE 出演も10回を数えた會田君に、「次はヴィブラフォンなしでやってみて」と頼み、會田君の得意技(?)を封じた企画が2020年6月。

 まさかのコロナ禍でひどく辛かった會田君の脳裏に閃いたのが、4〜5月に行った温故知新の《Portraits in Rhythm》全50曲演奏YouTube配信で、その50曲をぶっ通しで演奏するという WINDS CAFE でなければおそらくできない企画が WINDS CAFE282【打楽器百花繚乱VII 〜A.J.Cirone作曲《Portraits in Rhythm》全50曲連続演奏会〜】でした。同年11月には、薬師寺典子さんの企画 WINDS CAFE 287【こえのリサイタル「うつすともうつるとも」〜ミメーシスの形〜】にゲスト出演して演劇的怪演を披露。

 その後もコロナ禍が続いていますが、會田君は新しいCD「いつか聞いたうた」を完成させ、2020年11月3日に発売、2021年7月の WINDS CAFE 295【打楽器百花繚乱VIII 〜いつか聞いたうた 全曲演奏会〜】で、CD収録曲順全曲演奏2時間を披露してくれました。そして同CDは2021年の暮れに「レコード芸術」誌のレコード・アカデミー賞を受賞しました! おめでとう!

 2022年1月の WINDS CAFE 301【打楽器百花繚乱IX】では、初めての「何を演奏するか事前に知らせない」コンサートを挙行。蓋を開けてみれば、ヴィブラフォン研究の精髄を発表するおそらくは本邦初演の復刻教則本の全曲演奏と、「Roll over cage」と題し、ケージとアメリカをテーマに様々な音源を組み合わせてそれと同時演奏する新作初演という、大変なボリュームでした。

 このように演奏者として5回、企画出演者として9回、計14回もの WINDS CAFE 登壇を果たした會田君に更なる期待をこめて、本年の企画にあたって(會田君の希望で!)私からお題を出したのですが、それが「一人の作曲家の個展(會田瑞樹は不可)」でした。いったい誰に決めるのか、わくわくして待っていたのですが、白羽の矢が当たったのはなんと白藤淳一氏!

 氏とは今や肝胆相照らす仲っぽい私(岩手県への出張のついでに氏の地元花巻でお会いし飲んだり歌ったりもしました)は、氏の音楽づくりや「趣味」において大いにその方向性を共有するものです。どうぞみなさま、何がその日聞こえてくるのか、耳をすましにおいでください。


▼會田瑞樹君からの手紙

 2015年、薮田翔一さんから紹介したい人がいるので連絡先を交換しても良いかと尋ねられた。承諾すると、見知らぬ番号から電話がかかってきた。白藤淳一と名乗るその男は、岩手県に在住し、作曲や編曲を色々しているので楽譜を見てもらえないかと相談を受けた。その年の暮れに岩手での演奏があったので、お招きすることにした。

 岩手県立美術館のロビーに現れた白藤淳一氏は、これまで出会った作曲家の中でもかなりの高身長で、ものすごい勢いで様々なことを話してくれた。屈託無く、まっすぐに音楽への情熱を語る白藤さんの言葉を僕はいっぺんに信じ切ってしまった。この人は良い人な気がする。と。

 その日から現在に至るまで、本当に白藤さんには様々なわがままを聞いてもらった。酔っ払って電話することもしばしばあった。読売日本交響楽団でのロジェストヴェンスキー最後の来日公演も共に聞いたし、京都にも来てもらったり、郡山で川村さんと三人で酒席を囲んだこともあった。まさに、頼れる兄貴のような存在だ。

 川村さんから「一人の作曲家をテーマにした会で!」とのオーダーを頂いた時、真っ先に白藤さんに決めた。白藤淳一という人は、何者なのか。多くの方々に知ってほしいし、彼の人間的な魅力の深さを、改めてみんなで分かち合いたいと考えるに至った。

 白藤さん、川村さんと東京でお待ちしています。


▼プロフィール

●會田瑞樹(あいた・みずき):1988年宮城県仙台市生まれ。2010年日本現代音楽協会主催「競楽IX」第2位入賞と同時にデビュー以降、これまでに300作品以上の新作初演を手がけ「初演魔」の異名をとる打楽器/ヴィブラフォン奏者。
作曲家として2019年第10回JFC作曲賞入選、2021年リトアニア聖クリストファー国際作曲コンクールLMIC特別賞受賞。
2022年2月には東京都「アートにエールを!」採択事業として初の自作自演個展を開催。同年10月には自らが作曲を手掛けた《祭禮 -二台のヴィブラフォンのための協奏曲-》を新田ユリ指揮、京都室内合奏団とともに世界初演。
2020年発売の最新アルバム「いつか聞いたうた ヴィブラフォンで奏でる日本の叙情」は年間最優秀ディスクとなる第59回レコードアカデミー賞受賞。
ヴィブラフォン、現代作品の魅力を多彩に紹介した成果により令和2年度大阪文化祭奨励賞、令和3年度宮城県芸術選奨新人賞受賞。かなっくホールレジデントアーティスト。郡山女子大学短期大学部非常勤講師。
http://mizukiaita.tabigeinin.com

●白藤淳一(しらふじ・じゅんいち):作曲家/編曲家。岩手県出身。《Parallel Cycle Junction》で第80回日本音楽コンクールに入選し頭角を現す。
創立30周年日本クラリネット協会記念事業「クラリネット作品コンクール」において《痴人の愛》で第1位、翌年には大会向けクラリネット独奏作品として《影法師と操り人形の不思議な踊り》を作曲、人気を博した。
2015年の會田瑞樹との邂逅により、膨大な数のヴィブラフォン独奏のための作曲、編曲作品を発表。
作品はTeeda出版より刊行され、吹奏楽作品からアンサンブル作品まで多数手がけ、その堅実な作風に定評がある。
https://twitter.com/Rozhdestvensky2 (文責:會田瑞樹)




▼当日配布されたプログラム
 http://tatsutoshi.my.coocan.jp/321program.pdf

▼当日のセットリスト


演奏終了後の記念写真 左から白藤淳一、會田瑞樹

【本編】

01 G.F.ヘンデル:クラヴサン組曲HWV434 から 第4曲メヌエット ト短調(2016/白藤淳一編曲)

02 E.エルガー:エニグマ変奏曲 から ニムロッド(2016/白藤淳一編曲)

03 J.S.バッハ:イギリス組曲第2番イ短調 から サラバンド(2017/白藤淳一編曲)

04 白藤淳一:樫の森の中の修道院(2023、初演)

05 C.ジェズアルド:清らかな澄んだ瞳(2016/白藤淳一編曲)

06 白藤淳一:宮廷の食卓の為の音楽(2019)

07 大野雄二:ルパン三世愛のテーマ(2017/白藤淳一編曲)

08 A.メンケン:映画「アラジン」から ホールニューワールド(2019/白藤淳一編曲)

09 G.ビゼー:「アルルの女」から No.16 〜「美しきパースの娘」から セレナード(2019/白藤淳一編曲)

10 D.クリボシェ:ナオミの夢(2017/白藤淳一編曲、初演)

11 岩手県雫石町民謡:どどさい節(2020/白藤淳一編曲)

12 白藤淳一:あやかしの余韻(2017)

13 W.A.モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調作品488 から 第2楽章(2022/白藤淳一編曲)


【アンコール】

14 鷺巣詩郎:映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」から Dark Defender =3EM06= 〜 The Anthem =3EM07=(2016/白藤淳一編曲)

15 矢代秋雄:夢の舟(2019/白藤淳一編曲、初演)


會田瑞樹(ヴィブラフォン)01-13,15
白藤淳一(ピアノ)14


2023.9.14更新

text by 川村龍俊 KAWAMURA, Tatsutoshi home